弓の適度な張り具合はどのくらい?

弓 お手入れ
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バイオリンの弓の毛は、馬の尻尾(しっぽ)の毛でできています。

素材の特性上、湿気を含むと伸び、乾燥すると縮む性質をもっています。

それで、楽器を保管する際には弓の毛を緩めておくと、乾燥して毛が短くなっても、弓が反らないですむので、弓を傷めてしまうのを防ぐことができます。

弓の毛を適切にゆるめたり張ったりすることによって、楽器を長持ちさせることができるので、しっかりポイントを押さえておくといいですよ。

 

今回は、バイオリンの弓の毛は、どのくらい張るのがちょうどいいのかについて書きたいと思います。

弓の毛の張り具合を調節する方法

弓

弓の持ち手に近い(元(もと))の方の先端にあるネジを回すことで、弓の張り具合を調節することができます。

どちらに回すかというのは決まっていますが、毛の張り具合をみながら調節すると、失敗しにくいです。

何回回すかというよりも、どのくらい緩まって張っているかという感覚を覚えて調節するのがおすすめです。

よくわからない時には、しまう時には、何回くらい回して緩めるなどという目安を決めておいてもよいかもしれません。

 

とはいえ、回し具合も何回回すかというのも、きちんと何周回したかが把握しにくいですし、湿度や毛の消耗具合で伸びてきたりして毛の長さが変化することもあるので、ちょうどいい張り具合やゆるめ具合がわかるようにしておいたほうが、確実です。

楽器をしまうとき

ケース

ケース

演奏したあとは、しっかり弓の毛を緩めましょう

明らかに毛がだらっとして、そのままでは弾くことができないくらいに緩ませても大丈夫です。

とはいえ、ネジが外れてしまうほどにまでは緩めないようにしましょう。

弓

 

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演奏する時

弓の張り方

弓の張り方

演奏するときの弓の張り具合を覚えておくことは、弓を長もちさせるためにとても重要です。

弓を張りすぎると、弓に負担がかかり、軸の反りが悪くなってしまいやすいです。

逆に弓の毛を緩ませすぎていると、演奏しているときに、弓の軸が弦に擦れてしまって、傷みます。

それで、弓の毛を適度な張り具合に保つように、いつも気を配っておくようにするといいですよ。

弓の毛の交換が必要な目安は?

・演奏していて、松ヤニがついているのに、弓の引っかかりが少なく、滑るような感じになる

・弓の毛の本数がかなり減っている

・弓の毛が伸びてしまっている

・毛の色が変色してしまっている

・毛がカビている

などの状態では、交換したほうが良くなっています。

弓の毛が滑る(すべる)ように感じる時、松ヤニが足りていないだけの時もあります。とくに新しくおろしたての毛はたくさん松ヤニをつける必要があります。また、しばらく松ヤニをつけていないなら、松ヤニをつけるだけで弾きやすい弓に復活することもありますよ。

それでも滑るなら、そろそろ弓の交換の時期です。

 

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まとめ

弓の張り具合をきちんと調節しておかないと、弓を傷めてしまう原因になります。

弓のコンディションによって、音の響きや音質に影響がでてきてしまいます。とくに、弓の張り具合、そり具合に注意しましょう。さらに、弓の毛替えなども定期的にするとスタッカートなども弾きやすくなります。

(関連:スタッカートの切れ味が良くなるためのコツは?

 

また、弓の質によって同じ楽器でも弾きやすさや音が違ってくるので、楽器の買い替えの前に、弓を良いものにしてみるのも効果があるかもしれませんね。

 

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