バイオリンの音量を小さくすることができる、ミュート(消音器)というグッズがあります。ミュートの中には、練習用に音を小さくするための消音器、オーケストラなどの演奏でニュアンスを変えるために使われることもある弱音器といった種類があります。
消音器、弱音器は両方とも同じくミュートと呼ばれることが多いです。
今回は、練習用のミュート(消音器)について考えたいと思います。
バイオリンの音量は大きいので、自宅で練習する時などにミュートを使うかもしれませんが、ミュートをつけたときとミュートなしのときで弾いたときの感覚が違うことがあるので、ミュートの特徴を知って使い分けることが大切だと思います。
ミュートは、つけたときに響きが抑えられるのが特徴ですが、ミュートを外した後に少しの間、バイオリンの響き方に変化を感じることがあります。
練習用ミュートを使って感じる変化
楽器に重さが加わる
ミュートをつけると、ミュートの重さが加わり、楽器全体が少し重くなります。
ミュートの大きさと素材によって、重量が変わります。
しっかり音を小さくしようとすると、駒の上に乗せるタイプのミュートが向いていて、ミュートのサイズが大きいので、重くなります。
また、ゴム製や金属製のものがあり、金属製のミュートのほうが重くなります。
最初は少し重くなったと感じますが、慣れるとそれほど気にならなくなると思います。
ゴム製のミュートでも音量が十分小さくなりますし、楽器の上に落としてしまうことがあっても傷つけにくいので、使いやすいすいと思います。
視界が遮られて、駒の近くが見えづらくなる
駒に乗せるタイプの練習用ミュート(消音器)だと、弦と弓の接する場所が見えづらくなります。弓の角度などを練習しているときには不便ですが、慣れれば問題なく弾くことができます。
視界が良くなるよう、駒の上に乗せるにではなく、駒の前後をマグネットの力で挟むようにつけるミュートもあるようです。
ミュートをつけると響きが抑えられます
ミュートをすると、響きが抑えられて音が小さくなりますが、ご近所の方への音の配慮としては、やはり窓を閉めたり弾く時間帯などに気をつけるなどした方が良いと思います。
音の響きが抑えられるので、音の広がりがなくて弾いていて物足りなく感じることもあります。
とくに、高音やフラジオレットはミュートをしてもできますが、響きにくくなってやや難しくなります。
ミュートを外したときの感覚
ミュートを外した直後、普段よりも響きにくくなったように感じることがあります。
ミュートを外して続けて鳴らしていくと、また元通り響くようになりました。
実際に楽器が鳴りにくくなるのか、ミュートありの弾き方に慣れて力の入れ方が違うせいか定かではありませんが、一時的に鳴りにくく感じることは多かったです。
演奏披露するなどの予定がある場合、本番直前までミュートで練習するのではなく、ミュートを外した状態でウォーミングアップをする必要があると思います。
基本的にはミュートなしで演奏して、音を小さくしたい時だけミュートを使うのが良いかと思います。
音を小さくして練習したい場合
最近は、自宅ではエレキバイオリンを使ったり、さらにミュートをつけて練習することもあります。
アコースティックバイオリンにミュートをつけるよりもさらに小さな音で練習できます。
エレキバイオリンもアンプを繋げばステージでも使えるポテンシャルのある楽器ですが、自宅で練習用としても使いやすいです。
バイオリンの響きを感じながら微妙な調整の練習をするにはアコースティックバイオリンでしかできないこともありますが、音程や弓使いの練習などにエレキバイオリンは役立っています。
エレキバイオリンの生音は、うるさくはないですがしっかり聞こえるくらいの音量が出ます。
音を気にせず練習できる環境があるに越したことはないですが、小さな音で練習したい場合には、ミュートやエレキバイオリンなども使い分けていくと、音を気にせずに練習できる時間が増えるので、上達につながると思います。
自宅練習で使用しているミュート
樹脂製のミュート(消音器)を使っていますが、音量も抑えられ、使いやすいです。
金属製ではないですが、わりと作りがしっかりしていて、重みもそれなりにあります。
以前使っていたゴム製のミュートは、おそらく15年くらい経ったせいだと思いますが、ゴムが劣化して切れてしまったので、今年新しく購入しました。
毎回使わないとしても、一つ練習用のミュート持っていると、その時の状況に合わせて使うこともできて便利です。
まとめ
ミュートをつけると、アコースティックバイオリンの音が少し響きにくくなり、音量を小さくして練習するのには向いていますが、アコースティックバイオリンらしい音のふくらみがなく、物足りなく感じやすいです。
ミュートを外した後、少しの響きにくさを感じることもありますが、しばらく音を出しているうちに元の感覚に戻ります。
ミュートをしたほうが練習できる時間が増えるのであれば、ミュートも活用してたくさん練習するほうが上手になれると思います。
アコースティックバイオリンでミュートをしてもそれなりに音量があって練習しにくいのであれば、エレキバイオリンを生音で使うと音が小さいので、エレキバイオリンやサイレントバイオリンなども合わせて使って練習することもできます。
コメント