弓の本体はずっと使えますが、弓の毛は馬の尻尾の毛でできていて、消耗品です。
長く使っていると、弓の毛のキューティクルが引っかかりにくくなって、弾きにくくなりますし、毛が切れたり抜けたり、湿気や演奏による加圧によって毛が伸びたりして、傷んでいきます。
定期的に交換しましょう。
毛替えをすると、弓がキュッキュッと引っかかるので、弾きやすくなります。
スタッカートで弾きたいとき、力強い音を出したいときにも、イメージしたように弾きやすいです。
どうも調子が悪いな、うまく弾けないなー、というときには弓の状態について、
「松脂が十分についているか?」
「毛替え時期を過ぎていないか?」
と確認してみるといいと思います。松脂をつけてもスースーと弓の毛の引っかかりにくくなってきたら、毛替えが必要になっています。
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今回は、弓の交換の時期や注意点などについて書きたいと思います。
交換の時期
弾く量によって、毛替えの頻度が違ってきます。
毎日何時間も弾く人のほうが、週一回1時間程度弾く人よりも短い間隔で毛替えが必要になります。
ただし、ほとんど使わなければそのままで良いというわけでもなくて、あまり放っておくと天然の素材なので虫食いにあって毛が少なくなったり、カビたりします。
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湿気に注意
バイオリンケースに湿気対策で、乾燥剤を入れておくと良いです。
湿気で毛が伸びたりしてコンディションが変わってくるので、弓の毛替えをするのは、なるべく雨の日や梅雨時期ではないほうが向いています。
雨でも毛替えはできますが、あとで晴れてから毛が縮んできつめになったりするので、仕上がって受け取るときに、注意事項について説明してくれることがあります。
楽器をしまうときに、ちゃんと弓の毛を緩めておかないと、あとでパンパンに張ってしまうことがあるので気をつけると良いですよ。
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交換の目安

松脂を塗っていても弓の毛の引っかかりが弱くなって、滑るような感じになったら交換時期です。
また、ずっと使っていると、弾く時の圧や湿気によって弓の毛が伸びてしまうようです。
それで、弓の毛が伸びてしまったり、毛が黒ずんだり黄ばんだりしたときもそろそろ交換時期です。
初めの頃、毎日のように弾いていたけれど2,3年交換せずに使っていたら、かなり毛が消耗していたようで、毛替えの後すごく弾きやすくなって驚きました。
趣味の人でも、一年に一回くらい毛替えができたらいいと思います。よく弾く人は3か月〜半年に一度くらいがいいようです。
練習しないと上手くなりませんが、楽器のコンディションを整えておくと、弾きやすくなって上達もしやすいと思います。
演奏会などに合わせて毛替えするなら、余裕をみて2週間〜1ヶ月前くらいにすると、松脂が毛に馴染んだり、新しい毛の感覚に慣れるので良いです。
専門店で
バイオリンの修理などをしてくれる工房などで毛替えをしてもらえます。
毛は、馬の尻尾の毛で、湿気に弱く、湿度の違いで張り具合が変わってきたりします。バイオリンのことに詳しい職人さんたちは、さまざまな知識や経験のもと作業してくれるので安心です。
少し待っている間に替えてくれるところもあれば、その日は弓を預けて後日取りに行く場合もあります。配送サービスなどをしてくれる工房もあるようです。
毛替えの料金は、店舗やランクにもよりますが、3000円〜8000円くらいです。
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まとめ
弓の毛替えをすると、弾きやすくなりますので、定期的に替えるようにしましょう。
毛を替えたての新しい状態では、松脂がつきにくいので、念入りにつけるようにしましょうね!
【ギヨームの松脂(まつやに)】
おすすめの松脂です。固形の松脂は、落として割ってしまったりしなければ、かなり長持ちしますよ。
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