宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」という作品があります。
音楽を通して主人公ゴーシュが成長していく様子を描いています。
長編アニメにもなっていて、田舎の家で生活しているゴーシュの家に、さまざまな動物たちが訪ねて来るのが、面白いです。
まずはネコ、そしてカッコウ、タヌキ、ネズミです。
それぞれ、ゴーシュと会話し、演奏を聴かせたり、一緒に弾いたりします。
生意気なネコ
一番はじめにやって来るネコが、ちょっと生意気ですが、憎めない感じで気に入っています。
「先生、・・・」
と呼びかけているのに、何だか偉そうなことを言うのです。
得意げにトマトを運んで来たり、すごくクラッシック通のような感じで演奏を聴かせて欲しいと言ってきたりする、ネコの表情から目が離せません。
しゃべったり、なぜか2本脚で立ったりしているのに、雰囲気がとってもネコらしいのです。
もししゃべったら、こんな感じなのかもしれないな、と思ってしまいます。
ちょっと、憎たらしさがあって、ちょっと何か違うような、、
ということを言われて、ゴーシュは
「生意気だ、生意気だ、生意気だ!!」
と叫ぶのですが、あんまり気にした様子もありません。
実にネコらしいところです。
すごい練習量
動物たちとのやり取りは、観ていて大変和むのですが、ゴーシュにとっては夜通し一緒に演奏することになったのですから、ハードだったことでしょう。
「動物たちと相手をするのも、けっこう疲れる」
というようなことをボソッと言うのですが、まあ無理もないな、というくらい、相手をしています。
練習の邪魔になりそうな面倒なことを言っているようでも、結局は、一緒に演奏することで、ゴーシュのチェロの演奏が上手になるきっかけになっていきました。
正直な感想
ネコも、カッコウも、タヌキもみんな「先生」とゴーシュのことを呼び、音楽を聴かせて欲しいとか、教えて欲しいと言ってきますが、何気なくゴーシュの技術上の弱点に気づかせるようなことを言います。
音楽の先生に言われるよりも、ふつうの人から言われるほうが、ちょっとムッとしてしまいがちですが、克服ポイントに気がつくいい機会でもあります。
音楽に詳しくない人でも、良い演奏とイマイチな演奏の違いは分かってしまうものです。
身近な人の感想は、正直だな、と思います。
三毛猫を見ると
アニメのセロ弾きのゴーシュに出てくるネコは三毛猫だったので、街中で三毛猫を見ると、この作品を思い出します。
実際の猫たちも、演奏を聴きたがったりするのかな、と想像してしまいます。
そして、ゴーシュのいたような自然の中で、楽器を演奏したり、練習できるっていいな、と思います。
おすすめの作品
ベートーベンの「田園」の曲が、作品全体に出てきて、音楽の良さとストーリーが相まって、いろんな方面から楽しめる作品です。
観終わったら、バイオリンなど、何か楽器を弾きたくなるかも。
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