バイオリンとピアノとの違いに、音をのばせることがあります。
ピアノは、鍵盤を一度叩いてからは、音はだんだん小さくなっていきますが、バイオリンの場合はというと、弓を弾いている間音を出し続けることができ、弓に圧とスピードを加えると、音をだんだん強くしていくこともできます。
それと共に、バイオリンでは、ヴィヴラートと言って、音を心地よく揺らすことができます。
このビブラートができるようになるのが、簡単ではないのです。
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はじめは、ヴィヴラートなしで
最初のころの練習は、弓の動かし方、音程を正しくとることから覚えたいのでヴィヴラートなしで弾きます。
音階練習をする時にも、ヴィヴラートはなしで練習するのがスタンダードなようです。
ずらさずに、ピタッと音が合うようになると気持ちがいいですよね。
はじめは、弦を押さえる指の力が弱かったり、指の向きや手の形が定まらずに不安定なことが多いので、左手で弦を押さえるのが上手になってから、ヴィヴラートの練習をしていきます。
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ヴィヴラートをかけると
プロのバイオリニストを見ると、弦を押さえる左手を細かく揺らしていることに気がつかれることでしょう。
これがヴィヴラートです。
このように左手を揺らすことによって、音が伸びやかに、まろやかになり、幅のある音になります。
歌手のヴィヴラートと同じような感じです。
演歌のこぶしのようでもあります。
ゆったりとした、一見難しくなさそうな部分でも、きれいにビブラートのかかった演奏にすると一段と上手に聞こえます。
また、バイオリンでも、歌を歌うような表現ができるので、聞いていて心地よく感じますし、バイオリニストはいろんな感情を表現できたりできるのです。
もちろん、ピアノにはヴィヴラートはないものの、いろんな表現ができます。ピアニストたちも、いろんな技術や表現力を持っています。
エレキギターのギタリストも、ヴィヴラートをかけたりします。ギターのパートのところでヴィヴラートがかかっているか、ついつい気になって注意して聞いてしまう時があります。
ヴィヴラートの技術を習得すると、ギターなどにも応用できますね。アコースティックギターでも使えるでしょう。
見よう見まねでやってみよう
レッスンでは、教本でヴィヴラートが出てくるのは、ある程度経過してからです。
それまでに、自宅で練習する時に、ちょっと慣れてきたら、ヴィヴラートをやってみるといいと思います。
弦を押さえている指の、指板に接しているところを軸にして、指の先の接しているところはあまり動かさないようにして手全体、あるいは腕ごと振る、揺らす、ずらすと、音も揺れてきます。
大きなヴィヴラート、小さなヴィヴラート、ゆっくりかける、早くかけると言った風に、かけ方にいろんな種類があります。
はじめは、長く伸ばす音を、ゆっくりのヴィヴラートから始めるといいと思います。
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かけやすい音とかけにくい音
まず、弦を押さえてヴィヴラートをかけるので、開放弦、つまり左手で弦を押さえずに出す音にはヴィヴラートをかけられません。
それで、まんべんなく開放弦の音もヴィヴラートをかけようと思ったら、ポジションを変えて、となりの弦の高い位置を押さえてヴィヴラートをかけるようにします。
慣れた人だと、聞いていて、
「あ、そこだけヴィヴラートを抜かしたな」
とわかるようです。
指によってもかけやすさが違います。私は、人差し指が一番かけやすく、小指に向かうほど 難しく感じます。これは、人によって得意不得意が違うと思います。
次に、ポジションによる難易度の違いもあります。
上手なヴィヴラートはどこが違う?
上手なヴィヴラートは、なめらかですが、下手なヴィヴラートは不自然でぎこちなく、音が途切れがちになります。
自然でなめらかにかけられるようになるには、練習あるのみです。
無理な体勢にご注意を
手首を無理な向きで、力を入れてずっとしていると、手首を痛めたり、腱鞘炎になってしまうこともあります。
本来は、テコの原理を使うようにして、無理なく少ない力でできるものです。
すぐに痛くなるようであれば、姿勢ややり方が違うかもしれませんので、ヘンな癖がつく前に、バイオリンの先生に、そのやり方で良いか見てもらってくださいね。
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まとめ
ヴィヴラートがかけられるようになると、ぐっと表現の幅が広がり、バイオリンを弾くのも楽しくなります。
ヴィヴラートは、バイオリンを弾くのには避けて通れないテクニックかもしれませんね。
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