先日、ランチタイムコンサートに行ってきました。
途中休憩なしの約1時間で、心地よい音楽を聴きながら、優雅なひとときを楽しむことができました。
ランチタイムコンサートは、より気軽に身近にクラシックを生で聴くことができ、料金も比較的高くないところがいいと思います。
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今回は、古典音楽のテーマで、バッハの無伴奏の曲を、バロックバイオリンで弾いていました!!
バロックバイオリンというのは、現代のバイオリンと少し違っていて、響き方がやさしい感じがする楽器です。
はじめに、バロックバイオリンについて、プロの演奏者から説明していただいて、勉強になりました。
バロックバイオリンとは?
古典時代までに使われていたバイオリンで、形はほぼ同じですが、音の響きが少し違います。大きく分けと、以下のような違いがあるようです。
【あご当てと肩当て】
あご当てや肩当てがありません。
【弦】
弦の素材にガットという羊の腸が使われています。
それで、現代のスチール弦よりも弱い音になります。
【弓】
弓も、現代の弓と形が違っていて、弓なりな形をしています。
弓の形の違いは、音にも違いがでます。弓の中央部分は強い音が出て、端のほうは弱くなります。
現代の弓は、弓のさおが反るよう形になっていて、それによって、端の方まで均一な強さの音を出せるようになっているそうです。
バロックバイオリンは、弓の形から、端の方に行くと音が弱く(ディクレッシェンド)なるようになっているので、よりやさしい響きになります。
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現代仕様に修理されているものも
ベートーベンの時代の頃から、現代のバイオリンの様式が使われるようになったそうです。
古典時代に作られたバイオリンでも、現代仕様のバイオリンのように、よく響くように補修されているものが多いようです。
修正されたところをはずすと、昔と同じ音の響きがよみがえります。
今回のコンサートでは、バロックバイオリンの仕様に戻した楽器の演奏を聴くことができました。
演奏方法
あご当てと肩当てがないというのは、大きな違いです。
通常、あごに楽器をはさんで弾くのですが、バロックバイオリンは肩に乗せて、あごで挟まずに弾きます。
プロの演奏者も言っていましたが、楽器がずれやすいそうです。
弾き方を工夫する必要がありますね。
演奏を聴いていて、演奏するところを見ていたせいなのか、あごではさんでいないので、リラックスして、あごや顔に力を入れずに聴けるような、自由な感じの音がしました。
自分自身は、あご当ても肩当てもしっかり使わないとうまく弾けないので、バロックバイオリンを弾きこなすのは、かなり難しそうです。
一般的には、肩当てをつけたほうが演奏しやすいと思います。
※ 肩当てについての記事
音の違い
説明によると、現代のバイオリンのように強い響きはないとのことでしたが、、
確かに、力強いクレッシェンドという印象はありませんでした。
優しい響きがして、決して弱すぎることもなく、ホールによく音が響いていたように思います。
ふわっと包まれるような、力まずに聴けるような、明るい響きがしました。
バッハの曲は、現代バイオリンの演奏をCDで何度も聴いたことがありましたが、バロックバイオリンでの演奏は初めてで、いい意味でちょっと違う響きを楽しむことができました。
現代のピアノと古典時代のチェンバロの違いと似たような感じがします。
バイオリンはのびやかな音の響きを楽しむ楽器なので、のびやかさは十分にありましたが、現代のものほど音が強すぎないので、かえってチェンバロなどの当時の楽器との相性も良かったのでしょう。
※ 音色についての記事
まとめ
コンサートのあと、ちょっと軽やかな気分になって帰ってきたわけですが、
いつも聴いていた普通のバイオリンの音とどう違ったかな、、と確かめたくなって、ハイフェッツの演奏を自宅でCDで聴いてみました。
こちらの響きも、もちろん音が強すぎるということもなく、とても素敵な演奏だったので、
バロックバイオリンと現代のバイオリンでは、もちろん違いはあるものの、どちらの楽器も演奏者がよければいい音がするのは間違いない、ということがあらためて感じました。
情熱的なバイオリンもいいですが、軽やかで伸びのあるバイオリンもいいものですね!!
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