演奏の技術を維持しつつ、さらに上手になるためには、練習を続けることが大切ですね。
逆に、バイオリンをしばらく弾かないでいると、全く弾けなくなってしまうかというと、全くゼロの状態に戻るわけではありません。
「よかった~」
と言いたいところですが、腕は確実に落ちます。
「あんなに練習して弾けていたのに、弾けなくなっている」
ということが起きるので、おそろしいことです。
けっこうはかないものです。
では「昔、小さい頃に習っていたよ!」という場合はどうでしょうか?
しばらくたってからもう一度バイオリンを弾きたくなったら人は、全くゼロから始める人よりもうまくでしょう。
ただし、やめる前にどれくらい弾けていたかと、どれくらいの期間弾いていなかったかでも、差が出ます。
バイオリンを弾く技術はどのように身についていくのでしょうか。
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どこまで弾けるようなっていたか?
触ったことがあるだけか、かなり高度な技術までできるようになっていたのかでは、大きな違いがありますね。
自転車の乗り方や、泳ぎ方などと同じで、ある程度の型を身につけていると、長いブランクがあっても意外とバイオリンを弾けたりします。
ただし、感覚はだいぶ鈍くなっているはずです。
ブランクのある間に上手になっていることはまずありません。
それで、今まで弾けていた以上のことはできないと考えましょう。
筋肉の衰え
長い間弾いていないと、バイオリンを弾くための筋肉が衰えてしまいます。
それで、「確かこんな感じで以前弾いていたな」ということを実際にしてみようと思っても、力が入らないとか、すぐに疲れてしまうことがよくあります。
定期的に練習している時には筋肉痛にならなかったのに、「久しぶりに弾いてみたらあちこち痛くなってしまった」りします。
ただし、この筋肉痛も、再び練習を再開し、定期的に練習するようになると、痛くならなくなっていきます。
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感覚が鈍くなる
もう一つ、しばらく弾かないと衰えるのが、感覚です。
音程を取るときの、押さえる位置がピタッとしない、しっくりこない、ということが起きます。
それで、「なんだかこんな感じだったかな~」「いまいちだな~」という感じで、再び始めることになります。
「いままで弾けていたのに…」という思いがあると、なんだか歯がゆい思いをします。
とはいえ、この感覚の衰えも、今までに経験のある人は、感覚を戻すのに多少時間がかかるものの、初心者が新しく覚えるよりも、断然早く感覚を取り戻せると思います。
復帰したてのころは、今まで以上に音階練習をしっかり意識すると良いでしょう。
※ 音階練習の記事
ビブラート
ビブラートを自分のものにしていた人は、復帰後も少し練習すればまたビブラートをかけれるようになるでしょう。
最初のうちは、筋力や感覚が衰えてしまっているので、自分のイメージ通りに動かず、ぎこちない動きになってしまうこともあるかと思います。
なめらかな演奏をするためには、トレーニングが必要になります。
※ ビブラートの記事
途中でやめるともったいない
ある程度弾けるようになってからだと、弾き方のコツを知っているので、あとで思い出しながら自分で練習することができますが、習いたてですぐにやめてしまうと、また一(いち)から覚え込まなくてはならなくなってしまいます。
今までできていたところまでに戻すのに、余分の時間がかかってしまうので、もったいないです。
できればブランクを空けずに定期的に弾いて、腕を落とさないようにするのがおすすめです。
忙しい時にはどうしたら良い?
あくまでアマチュアで弾く場合ですが、1週間に一度、1ヶ月に一度は必ず楽器に触って、感覚を確かめておくのがおすすめです。
毎日5分でも時間が取れれば、それに越したことはありません。
数ヶ月、半年、一年と、ブランク期間が長くなるほど、衰え方が激しくなり、戻すのにも時間がかかります。
また、バイオリンを弾きたいという気持ちを忘れてしまいがちになります。
それで、少しずつで良いので、期間を長く空けないようにして、定期的に音を出すようにすると良いでしょう。
時間がないときの練習は、腕を落とさないために効率が良いのが音階練習です。5分、10分でも定期的に音階練習をするだけで、かなりの効果を実感できると思います。
あるいは、自分の好きな曲を弾くというのも良い方法です。
そうすれば、苦にならずに、バイオリンに触れて音を出す練習ができるからです。
また、音程を取るだけではなく、歌うように感情を込めて弾くという練習にもなります。
「どうも、音楽に入り込むのが苦手だ」という人は、細かいことを気にせずに、気持ちを入れてうたうことをメインに弾く機会をもつと良いでしょう。
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リフレッシュできることも
今まで毎日練習していて、ちょっと行き詰ったり、弾くことが楽しく感じられなくなったりしたら、少しの期間お休みするのも一つの方法です。
無理に弾き続けるよりも休んだほうが、かえってリフレッシュできたり、いろんな感性を鍛えることができる場合があります。
またバイオリンが弾きたくなったり、久しぶりに弾いてみたら、以前と違った雰囲気の音を出せるよになることもあるかもしれません。
ただし、細かく弾く指遣いや、音程の感覚などは、ブランクがあると衰えますので、感覚を戻す練習も必要になりますよ。
しばらく弾かないことにしても、少しだけ時々音を出しておくほうがおすすめではあります。
楽器のコンディションも保てる
定期的に弾くことは、演奏の技術だけでなく、バイオリン自体のコンディションを保つのにも役立ちます。
何ヶ月も放置している間に、弓の毛がパンパンに張ってしまっていて、弓が傷んでしまったり、汚れが残っていてカビが生えてしまったりすることを予防できます。
清潔にして、湿度や温度の極端ではないところに置いてあれば、半年、一年と置いたままにしていても、別に問題なあったりもしますが、大切な楽器が、カビたり傷んだりするととても悲しいです。
なるべく、定期的に音を出して、最後にきれいに汚れを拭きとって、大切に扱いましょう。
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まとめ
ときにブランクができてしまうとしても、バイオリンのことを時々思い出して、バイオリンの音を楽しんでもらえたらな~、と思います。
私自身も、2年ほど休んでいた時期がありますが、久しぶりに弾いた時に、
「意外と弾ける」という感じと、
「難しい部分を前のように弾けない」
という両方の感覚がありました。
意外とブランクがあっても、全く弾けなくなるわけではないので、また弾いてみると楽しいですよ!
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